毎年開催している子育てステップアップセミナー。今年度は、12月19日に児童館で、1月7日にふれあいこども館で行いました。
タイトルにもあるように、テーマは「心を豊かにするおもちゃたち」
児童館でのセミナーの講師は、西日本短期大学の平山隆浩先生。「クリスマスを彩るアフォーダンスを活かしたおもちゃ作り」ということで、紙コップでクリスマスツリーを作りました。
環境が動物に対して与えている価値や意味のことをアフォーダンスといいます。「与える、提供する」という意味のaffordを元にした造語で、環境を利用する動物との関係によって特徴が決まるという考え方です。
今回の材料である紙コップ。これは何か物や液体を入れるというアフォーダンスがあります。ですが、子どもに渡すとどうでしょうか?
舐めたり噛んだり潰したりする子もいるかもしれません。紙コップと子どもの間にあるアフォーダンスはこんなにある、ということです。
紙コップに貼ったカラーフィルム。これには貼る以外にどんなアフォーダンスがあるでしょうか?
平山先生と覗きあい♪赤い世界に早変わり!覗くというアフォーダンス
切り貼りして装飾すればこのツリーは完成です。でもその過程には様々なアフォーダンスがあり、子どもの発想力、直感で、楽しみ方もたくさんある。大人には思いつかないことや、注意したくなることでも、子どもにとっては、やってみたいこと楽しいこと意味のあることなんですね。
豊かな感性、意欲を育てるのに、このアフォーダンスの視点は大事なんだと思いました。子どもの行動を認めてあげることで、自尊心が芽生えることに繋がるのではないでしょうか。
こども館でのセミナーの講師は、福岡おもちゃ美術館の石井今日子館長。「笑顔を生み出す木のおもちゃ」をテーマにお話をして頂きました。
こちらは保護者のみ参加のセミナーでした。お子さんは少しの間、託児でお預かり・・・お母さんたちお勉強モードです。
「みなさんはこれが何に見えますか?」と石井館長。
「時計に見えます」「カタツムリに見えます」とお母さんたち。
着色のない木のおもちゃは、何にでも見立てられるのが面白いところ。子どもは「パパの車!」「おにぎり!」といろんなものに見立てる天才だ、というお話でした。
真ん中の机には、大きさ違い、色違い、音が鳴るもの・・・大人でもつい触ってみたくなる、いろんな形のおもちゃが並んでいました。
でも大人は、ちょっと触ると「こんなかんじね!」とわかって満足することが多いですよね?
それが子どもだとどうでしょう?
子どもは、押すと出てくる、とか、上から入れたら下に落ちてくる、というような繰り返しの遊びが大好き。だから何度も何度も同じことをしてるのに楽しいし、その仕組みに気づいたことが嬉しくて、「パパ見て!ママ見て!」と、言ってくるそうです。そんなときは「他のでも遊んだら?」と言いたいところをグっとこらえ、見てあげると、「ほらね、ボクが気づいたんだよ、すごいでしょ!」と子どもの心は満たされる、とのこと。なるほど~!
おもちゃ美術館に行ったら、赤いエプロンの「おもちゃ学芸員」さんが何名もいらっしゃいます。この日もお一人来てくださいました。遊び方がわからなくても教えてくれるんです!
福岡おもちゃ美術館は、ららぽーとにあります。木のぬくもり、におい、肌触りを体感したい方は、一度行ってみられてください。
どちらのセミナーも、事前申し込み制だったのですが、キャンセル待ちが出るくらいの申し込みがありました。子育てに熱心な方がたくさんいる証拠ですね。すばらしい!!参加されたみなさん、ありがとうございました。
今年度のセミナーはこれで終わりです。ご興味のある方は、このホームページ上や市の広報でお知らせしますので、告知をお見逃しなく・・・!来年度是非ご参加ください♬